6月を迎え、全国各地続々と梅雨入りし、台風や豪雨など自然災害が多い季節がやってきました。

雨がもたらす災害の中でも土砂災害は、専門家でも予測が難しいとされ、予想外の被害を引き起こします。

そこで今回は、土砂災害の種類と前兆現象について解説していきます。万が一に備え、ぜひ参考にしてください。

3つの代表的な土砂災害とは?

土砂災害の発生原因である「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3つの種類は、何らかの前兆現象が現われることがあります。

以下に挙げた主な前兆現象に注意する必要があります。

また、前兆現象に気づいた場合には、周囲の人に注意喚起を行い、早急に安全な場所への避難が大切です。

がけ崩れ

・がけにひび割れができる

・湧き水が止まる・濁る

・小石がパラパラと落ちてくる。

・ 音や振動がする

      ・ 亀裂ができる

      ・ 地面が沈降する

      ・ 地盤が傾いたり、崩壊した部分が見られる

      地すべり

      ・ 地面に亀裂や震動が生じる

      ・ 木々の根元や道路、建物の傾きが増す

      ・ 土砂が流れたり、地割が見られる

      ・地鳴り・山鳴りがする

      ・井戸や沢の水が濁る

      ・ 傾斜地で、地盤変形や崩壊などが発生している場合がある

      土石流

      ・ 濁った水が急に通り過ぎる音がする

      ・ 周辺の植生が折り曲がっている

      ・ そり落ちた地層によって地面が台形状や凸凹した状態になる

      ・腐った土の匂いがする

      急に川の水が濁り、流木が混ざり始める

      ・降雨が続いているのに川の水位が下がる

      前兆現象をきちんと把握し、その情報を早急に周囲の人に伝えて避難するよう呼びかけることが必要です。

      がけ崩れの特徴と主な前兆現象

      山や丘などの斜面の表面に近い部分が、雨水が浸透したり地震などの影響でゆるんでしまい、非常に急速に崩れ落ちる現象を「がけ崩れ」と呼びます。

      このようながけ崩れは、崩壊するまでの時間が非常に短いため、人々が避難する時間がなく、生命の危機に陥ることがあります。

      特に、住宅地や道路など、人々の生活に密接に関わる場所での山崩れは、人命や財産を脅かすリスクが高く、注意が必要です。

      がけ崩れの前兆現象は、いくつかあります。

      まず、地盤の陥没や地割れが見られる場合があります。また、崩壊前に土砂や岩石などが滑り落ちている様子が観察されることがあります。

      さらに、地震発生後に崩落が起こることもあります。

      これらの現象に注意を払い、早期に対策を行うことが必要です。

      対策としては、まずはがけ崩れが起こる可能性のある場所を確認し、安全な場所に移動することが大切です。

      地すべりの特徴と主な前兆現象

      地すべりは、斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によって、ゆっくりと斜面下方に移動する現象です。

      移動量が大きいため、甚大な被害が発生します。

      主な前兆現象としては、地面がひび割れや陥没すること。また、がけや斜面から水が噴き出すことや、井戸や沢の水が濁ること。

      地鳴りや山鳴りがすること、樹木が傾くこと、亀裂や段差が発生することが挙げられます。

      これらの前兆現象に気づいたら、周囲の人に声をかけあい、いち早く安全な場所に避難するようにしましょう。

      土石流の特徴と主な前兆現象

      土石流は、山腹や川底の石や土砂が集中豪雨や長雨によって一気に下流へと押し流される現象です。

      そのため、非常に速度が速く時速20kmから40kmにもなります。

      この速度で押し寄せるため、短時間で周辺を壊滅させてしまうことがあります。

      主な前兆現象としては、山鳴りがすることがあります。

      また、急に川の水が濁ったり、流木が混ざり始めたりすることがあります。

      さらに、腐った土の匂いがしたり、降雨が続くのに川の水位が下がったりすることがあります。

      そして、立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえることもあるため、これらの前兆現象に注意し、いち早く安全な場所に避難することが重要です。

      土砂災害の発生原因としての地震の影響

      地震は、がけ崩れ、地すべり、土石流の3つの土砂災害を引き起こす可能性があります。

      地震が発生すると、斜面の地下水や土砂が大きく動き、その力によって斜面が崩れることがあります。

      また、地震によって斜面の傾斜角が変化し、斜面が不安定になり、崩壊しやすくなることもあります。

      これらの現象によって、土砂災害を引き起こす可能性が高くなります。

      そのため、地震が発生した場合は、周囲の斜面に注意し、地震によって崩れる可能性がある場所から避難することが重要です。

      6月は「土砂災害防止月間」

      毎年、6月1日から30日までの期間が「土砂災害防止月間」として設定されています。

      この月間には、「みんなで防ごう土砂災害」というテーマで、土砂災害に関連する警戒区域や砂防設備の点検・情報伝達訓練、また、防災意識を高めるための啓発活動などが行われます。

      土砂災害防止月間を機に、皆さんも自分たちが住む地域の危険な場所を確認し、避難場所までの経路を歩いてみることなど、万が一の事態に備えておくことが大切です。

      この月間をきっかけに、地域全体で土砂災害に対する意識を高め、災害に強いまちづくりにつなげましょう。


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