【命を守るために】津波警報が発令されたらどうするべきか

2024年1月1日に起きた石川県能登半島沖の大地震。

発生から1週間が経過しましたが、地震直後に日本海側沿岸の大部分に大津波警報・津波警報・津波注意報が発令されていました。

海底プレートのずれから発生する地震については、津波は被災者にとっての大きな脅威となります。

特に2011年の東日本大震災においては、巨大津波が街を襲い、多くの衝撃的な映像が流れたことを覚えている方も多いと思います。

今回は津波に対して、被災者はどのような行動を行うべきなのかをまとめました。

津波が迫る時の避難行動について

想像してみてください、海辺で心地よい時間を過ごしているときに、予期せず大地が激しく揺れ始めたと。

恐怖と不安が襲い掛かる中、耳に入ってくるのは、「津波警報が発表されました」という緊迫したアナウンスです。

このような非常事態においては、どのような行動をとることが求められるのでしょうか?

そもそも津波という自然現象は、その見かけの高さがわずか20〜30センチメートルであったとしても、その破壊力には決して油断してはなりません

力強い津波が大人を容易く転倒させてしまうほどのエネルギーを有していることを念頭に置くべきです。

そのような状況下で最初に意識すべきは、「遠くに逃げる」のではなく、「高い場所に避難する」ことです。

地震の揺れが激しかったり、何分にもわたり続いたりする場合、それは大津波が襲来する可能性がある明確な前兆です。

時間的な余裕があれば、避難経路を示す「津波標識」の確認も重要です。

これらの標識は、津波から生き残るために役立つ正しい方向へ導いてくれるでしょう。

このように、津波警報・注意報が発表された場合、現実に直面しなければならない様々な判断や行動が迫られます。

備えあれば憂いなしと申しますが、自分の生命を守るため、そして大切な家族や友人を保護するためにも、防災対策の知識を予め身につけ、冷静にそして迅速に行動を起こすことが不可欠です。

万が一の津波発生に備えて行動を正しく確実に行うための知識と対策

我々がいつ津波に直面するかは予想できないものです。

特に海岸に近い地域では、地震発生時の津波への警戒が不可欠となります。

普段から海岸に設置されている「津波標識」を認識し、安全な避難経路を確認しておくことは極めて重要です。

ハザードマップに示される津波の襲来エリアや予想被害地については、それが絶対的な安全を保障するものではないという認識を持つべきです。

津波はしばしば地震と一緒に発生しますが、その被害力は津波の高さだけで判断することはできません。

実際には、高さが20cm〜30cmであっても、その流速と圧力によっては大の大人を軽々と倒してしまうほどの力があります。

また津波が陸上を遡上してきた場合、その間に丸太や砂利、建物瓦礫や車など街にある様々なものを巻き込んでいるため、それらが凄まじい水の勢いにまかせてぶつかってくれば、それだけでひとたまりも有りません。

以前の東日本大震災のような巨大地震では、津波警報や注意報が実際の津波襲来に間に合わず、正確な情報が一刻を争う中で適切に伝わらなかった事例もあります。

そのため、津波警報や注意報、津波情報の内容をよく把握して、想定される被害と避難時の適切な行動を心得ておくことが求められます。

地震を感じた際には、遠い場所へ逃げるよりも、近場で高いところを探し、速やかに避難することが望ましいです。

出典:https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20200414_01

この避難方法を垂直避難と言います。

高台や津波避難タワー、津波避難ビルなどがあればそこを目指し、警報・注意報が解除されるまでその場から動かないようにしましょう。

また、たとえ警報が出ていなくても、海岸や海辺で地震を感じたら、すぐに高いところへ避難することを忘れてはなりません。

常にリスクを最小限に抑えるため、日頃からの備えと速やかな行動が生存のカギとなります。

津波対策の基本:第一波に安心せず、避難継続と速度への理解が肝要

津波という自然災害は、我々の想像を超える速さと破壊力を秘めており、海岸近辺に住む人々や海を訪れる人々にとっては、深刻な脅威となることがあり得ます。

その津波が到来する際に最も大切なことの一つが、第一波が岸辺に押し寄せた後も油断せず、警戒を怠らないことです。

なぜなら、始まりの波が最大だとは限らず、その後に訪れる第二波や第三波の方が更なる大きな被害をもたらす可能性があるからです。

このため、仮に予測されていた津波が指定の時刻に届かなかったとしても、その危険は去ったわけではありません。

出典:https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/joho/tsunamiinfo.html

気象庁などの公式な発表で警報や注意報が解除されるまでは、絶えず避難を続けていることが求められます。

津波の速度についても、その恐るべき真実を認識することが不可欠です。

海の深い部分で発生した津波は、その深さに比例して速度が増し、深さ5,000メートルの深海では時速800キロメートルという、まさにジェット機に匹敵する速さで伝播するのです。

さらに、水深10メートル程度の海域でも時速36キロメートル程度の速さがあるので、人が陸上で全力疾走しても追い付くことは不可能です。

したがって、地震などの揺れを感じたり、災害に関する情報を耳にするや否や、たとえ目視できない状況であろうとも、すぐさま避難を開始しなければなりません。

地震時に津波が起きるリスクが有るところには、上図の津波標識が掲示されている場所もあります。

海岸や川沿いにお住いの方は、津波標識がないか平時に確認しておくと良いでしょう。

また、自分の住んでいる地域の地形について知識を持つこと、過去にどのような災害が発生したのかについて理解を深めることも、自己防衛のためには不可欠です。

昔からよく言われることで、地名に水に関連する言葉が入っている場所は過去水害にあっていたことがある地域であるという話もあります。

自治体で配布されているハザードマップを手に入れ、避難路や安全な地域を事前に確認しておくことも推奨されています。

ただし、ハザードマップが示す危険箇所は、計算やシミュレーションに基づく推定であるため、絶対的な安全を保証するものではありません。

したがって、ひとつの目安としては有効ですが、それに依存し過ぎず、常に最新の情報を得ながら適切な行動を心掛けることが大切です。


風水害ランキング