今年もいよいよ本格的ながやってきます。

高温多湿な日本においては、真夏の盛りになると、今では40度を超える猛暑が襲うことも珍しくなくなりました。

暑い時に一番注意するのは、当然ながら熱中症でしょう。

40度超えなどするような場合は、一般的に命の危険がある気温とされ、各種警戒予報や不要不急の外出を控えるような報道がされます。

もちろん、猛暑の時期の熱中症は非常に警戒し対策するべきですが、実はこの夏の入り口…この時期も熱中症リスクが高まる時期となるのです。

今回は、そんな身体の防衛反応のひとつである暑熱順化について解説とやり方について書いていきます。

暑熱順化とは?

初めて暑い気候に触れると、熱中症になるリスクが高くなります。

暑熱順化とは、身体が暑い気候に慣れて強くなることを指します。

身体が暑さに慣れること(暑熱順化)を知り、暑くなる前から熱中症に対する対策を行うことが大切です。

暑熱順化による身体の変化

暑い日が長く続くと、身体は段々と暑い気候に慣れ、暑熱順化が進みます。

身体を動かすこと(例えば運動や仕事)で熱が発生し、身体温度が上昇します。

身体温度が上がった場合は、発汗による気化熱、心拍数の上昇、皮膚血管拡張によって身体表面から熱を放出し、身体温度を調整します。

身体温度の調整が上手くいかなくなると、身体内に熱がたまり、熱中症にかかります

暑熱順化が進むと、発汗量や皮膚血流量が増加し、発汗による気化熱や身体表面から熱を放出することがしやすくなります

暑熱順化への有効な対策とは?

身体を暑さに慣らすことが大切ですので、実際に暑くなる前に、身体負担が少ない範囲で汗をかくことが大切です。

運動や入浴を行うことで、身体を暑さに慣らしましょう。

暑熱順化にかかる時間は個人差がありますが、数日から2週間程度です。

暑くなる前から、余裕を持って暑熱順化を行い、暑さに備えましょう。

※上記はあくまで目安となります。上記を行っても必ず暑熱順化できるわけではありません。

また、実施時は個人の体質や体調、その日の気温や室内環境に合わせて、身体に無理のない範囲で実践してください。

運動時は、屋外や室内の天気や気温の変化にも注意し、水分や塩分を適切に補充しながら、熱中症に注意しましょう。

暑熱順化に有効な行動や習慣について

ここからは暑熱順化を行うために、やっておきたい行動や運動などについて解説していきます。

ウォーキング・ジョギング

帰宅時に1駅分歩いたり、外出時にできるだけ階段を使うなど、身体に無理のない範囲で汗をかけるような動きを積極的に行うようにしましょう。

ウォーキングの場合、1回の時間は30分、ジョギングの場合、1回の時間は15分、週に5日程度行うことを目安にしましょう。

サイクリング

日々の生活の中で、手軽に始められる運動と言えば、サイクリングがあります。

通勤や買い物などで自転車を利用することで、運動不足解消にも繋がります。

サイクリングは週に3回程度を目標に、1回30分程度の時間を設けることが良いとされます。

筋トレ・ストレッチ

また、インドアでの運動もおすすめです。

筋トレやストレッチを行い、軽く汗をかくことができます。

ただし、室内の温度には十分注意しましょう。

暑くなりすぎたり、水分や塩分が不足すると熱中症のリスクが高まります

週に5回程度〜毎日の頻度で行うことが良いでしょう

入浴

入浴は、体をリフレッシュするために重要なケアの1つです。。

ただし、シャワーだけではなく、湯船にお湯を貯めてゆっくり入浴することをおすすめします。

入浴前後には、十分な水分と適度な塩分を補給し、汗をかくことで代謝を促しましょう

湯の温度が高めの場合には、入浴時間は短めに。

逆に湯の温度が低めの場合には、少し長めに入浴することが望ましいです。

熱中症対策には、暑熱順化が有効です。

暑熱順化とは、暑い環境に体を慣らすことで、熱中症にかかりにくくなる効果があります。

入浴の頻度は2日に1回程度が目安です。

ただし、暑熱順化をしてもすぐに遠ざかってしまうと、その効果は薄れてしまいます。

自分が暑熱順化できているかを常に意識し、熱中症に注意しましょう。

暑熱順化がまだ行われていない可能性が高い時期

暑熱順化できていない可能性が高い時期には、特に熱中症に注意が必要です。

5月の暑い日

例えば、5月でも最高気温が25℃以上の夏日や、30℃以上の真夏日となることもあります

そのような日には、屋外でも室内でも自分の体調に注意し、水分補給と適度な休憩をしましょう。

梅雨の晴れ間

梅雨の時期には、雨が降り気温が下がることがあります。

梅雨で雨が降り、気温が下がると、せっかく暑熱順化した体も、元に戻ってしまいます。

そのため、梅雨の晴れ間で気温が上がると熱中症リスクが高まるのです。

梅雨明け後

梅雨明け後は、晴れて気温が高くなる日が続くことが多くあり、暑熱順化ができていないために熱中症にかかる人が急増することがあります

そのため、梅雨明け前から体を暑さに慣らしておくことが大切です。

お盆明け

8月中旬の暦の上では、秋になっているお盆明けも要注意です。

休みの期間中に暑熱順化が戻ってしまうこともあるので、注意が必要です。

また、帰省や移動などで疲れている場合には、熱中症にかかるリスクが高まるため、しっかりと対策しましょう。


これから本格的な夏に突入する前に、徐々に身体を暑さにならすことによって熱中症リスクを下げることができます。

熱中症は重篤になると命の危険もある怖い症状です。

今年の夏はどうなるかはわかりませんが、猛暑が来るものとして普段の生活から身体を暑さに慣らしていきましょう。


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