1月1日に石川県能登半島沖で起きた大地震。
日本海側の石川県・富山県・新潟県に強い揺れをもたらしたこちらの地震に付随して、液状化という現象が発生し、二次被害として大きな影響をもたらしています。
今回はこの液状化現象と、その原因や影響について解説していきます。
地震発生時に特に注意すべき「液状化」の詳細解説
出典:https://news.ntv.co.jp/n/teny/category/society/te50ec7612fd644eb0bda27e97a175d4e7
一般に液状化とは、大地が揺れる地震の際に地盤そのものが液体に近い状態へと変化することをさします。
液状化が起こりやすい条件として、水分に富む地盤が挙げられます。
例を挙げると、細かく均質な砂で構成され、水分を多く含む土壌です。
このような地盤は静かな状態では砂粒が互いに結びついて離れることなく固まっていますが、地震による揺れによって粒子同士が分離し、水圧が上がると水に満ちてバラバラになり始めます。
そこで、それまで固まっていた地盤がまるで液体のように流動する性質を持ちはじめ、これを「液状化」と称します。
液状化が発生した場合、特に建築物に対して極めて大きな影響を与えます。
具体的には、ビルや住宅など重たい構造物が沈下したり、傾斜したりすることが考えられます。
また、地表に近い部分で、蓋よりも軽いマンホールが浮き上がって見える事例や、埋設されている水道管などの地下インフラに損傷が発生したりすることもあります。
さらに、地面が裂けてその割れ目から水と土が噴出する「噴砂」という現象も発生することがあります。
このように、液状化は地震発生時の二次災害としては重要な問題であり、正しい知識と対策が必要不可欠です。
地震による液状化現象:危険域と被害の実態
出典:https://soken.misawa.co.jp/news/20230331/3111/
液状化とは、地震の揺れなどによって、地中の水分が原因で土壌が液体のように振る舞う現象のことを指します。
特に、地盤が緩い海岸沿いの埋立地や河川の周辺でよく見られる事象ですが、これは海や川が緊密に関わる場所という性質に由来しています。
いっぽうで、内陸地帯においても、古い川の流路やかつて存在した池などが埋め立てられたり、元は水田だった場所が住宅地に転用されたりした場合などには、液状化が発生することが観測されています。
これは、そうした地域の土壌に水分を多く含む火山灰層が存在するため、地震時に地盤そのものが脆くなりがちだからです。
たとえば、2018年に発生した北海道地震において札幌市清田区で記録された液状化の事例では、かつて沼地や湿地が広がっていた地域に、盛り土をして作られた住宅地が大きな被害を受けました。
この地域の地盤は、もともとが湿地であったことと火山灰を含む土壌のため、地盤が弱い部類に入ります。
このような場所では、木造の家屋などが建設されることが多いのですが、これらは建築物自体の重量が比較的軽いため、基礎が深くないことも相まって、液状化が起きやすいという特性を有しています。
また、2011年に発生した東日本大震災でも液状化が顕著に発生しましたが、特に埋立地でその影響がみられました。
例を挙げると、海を埋め立ててつくられた千葉県浦安市では、地盤に含まれる水分が多いため、液状化によって道路のマンホールが浮かび上がるといった甚大な被害が出現しました。
その後、復興の過程で液状化の再発防止策として、様々な対策が検討されたものの、技術的、また費用的な課題から多くのケースでその実施が困難であることが明らかになりました。
具体的には、地盤の強化といった工法などが挙げられますが、これには数百万円という高額な費用がかかるためです。
今回、新潟市の一部でかなり深刻な液状化が発生したりしていますが、液状化が多く発生した新潟地震の教訓があっても、これだけの液状化が起こるということは、やはり根本的な対策は難しいということも類推されます。
液状化への備えとして、様々なハザードマップが作成されており、それらを通じて自分の住んでいる地域のリスクを把握することが可能です。
一例として、国土交通省が提供する「わがまちハザードマップ」が挙げられ、ここのウェブページから液状化マップを参照することで、どの地域が危険に晒されているかを精査することができるでしょう。
さらには、自分自身の住んでいる土地が、天然の地形なのか、それとも後から人の手が加えられて変形された人工的な地形なのかという点にも注意を払うことが、地震の際に発生する様々なリスクに備える上での重要な一歩であると言えます。