断水は、地震で水道管が壊れたとき、台風・大雨で浄水場が使えなくなったとき、寒波で水道管が凍結・破裂したとき、そして工事や貯水槽の点検でも起こります。電気やガスと違い、水は代わりがきかず、備えの量がそのまま「もつ日数」になります。
断水でまず問題になるのは、飲み水よりもトイレです。ここでは、断水したときに最初にやることを手順で整理します。
この記事の結論(最初にやること3つ)
- ① トイレのレバーを引かない。まず携帯トイレの準備をする(配管が損傷している可能性があるため)
- ② いま蛇口から出る水をためる。浴槽・鍋・ペットボトルへ。飲用と生活用水は容器を分ける
- ③ 情報を確認する。水道局の断水情報で、原因・範囲・復旧見込み・給水拠点を調べる
STEP1 わが家だけか、地域の断水かを確認する
- 複数の蛇口をひねって、家じゅうで出ないのか、一部だけかを確認する
- 冬なら凍結の可能性。屋外の水道管やメーター周りを触って冷えていないか、破裂・水漏れがないか見る。凍結ならタオルを巻いてぬるま湯を(熱湯は破裂のもと)
- マンション・ビルは受水槽・高置水槽方式だと、停電でポンプが止まって断水することがある。管理会社・管理組合に連絡
- 地域の断水なら、水道局(水道事業者)の公式サイト・SNSで、断水範囲・復旧見込み・給水車の場所と時間を確認する
- 「濁った水が出る」「水圧が弱い」段階では、飲用・調理に使わず、様子を見て水道局の案内を待つ
STEP2 いま出る水をためる(用途別に分ける)
- 飲用・調理用:清潔なペットボトルややかんに、口の狭い容器で。冷暗所に置き、数日で使い切る
- 生活用水(手洗い・食器・掃除):バケツ、ポリタンク、鍋に
- トイレ用:浴槽に水をためる。ただし小さな子どもがいる家庭は転落事故のおそれがあるため、ためる量とフタを工夫する
- 断水が「予告されている」段階(工事・台風接近)なら、早めに満タンにしておく
STEP3 トイレは「流さない」――携帯トイレを使う
地震のあとなど、排水管や下水道が壊れている状態で水を流すと、下の階や室内に汚水が逆流することがあります。マンションでは特に注意が必要です。
- 断水したら、まずトイレのレバーを引かない。携帯トイレ(便袋+凝固剤)を便器にセットして使う。1人1日5回程度 × 家族 × 日数ぶんが目安で、最低3日、できれば7日分を備える
- 凝固剤がなければ、ポリ袋を二重にし、中に新聞紙やペットシーツ、細かくちぎった紙を入れて代用する
- 使用後は口をしばり、フタ付きの容器やもう一枚の袋に入れて、可燃ごみの収集再開まで保管する(自治体の案内に従う)
- 建物や配管の無事が確認でき、下水道も使用可と自治体が案内したら、ためた水(風呂の残り湯など)でバケツ流しに切り替える。1回につき数リットルを一気に入れる
STEP4 飲み水を確保する
- 備蓄は1人1日3リットル(飲用・調理)を目安に、最低3日分、できれば1週間分
- 足りなければ、給水拠点・給水車へ。水道局のサイトや広報車、防災アプリで場所と時間を確認する
- スーパー・コンビニのペットボトル水は早期に売り切れます。日ごろからローリングストックで切らさないように
- やむを得ず不確かな水を飲むときは、1分以上の煮沸を。ただし化学物質による汚染には煮沸は効きません
STEP5 情報を取る
- 水道局の公式サイト・公式SNSを一次情報にする(断水範囲、原因、復旧見込み、給水場所・時間)
- 自治体の防災行政無線、広報車、防災アプリ、地元ラジオも確認する
- SNSの給水情報は、発信元が公式か、日時が最新かを必ず確かめる
STEP6 少ない水で生活する
- 手指:アルコール手指消毒、ウェットティッシュ、除菌シートで。調理前・トイレ後は特に
- 食器:皿にラップやポリ袋をかぶせて使い、食後は外して捨てる。洗い物を減らす
- 調理:ポリ袋調理(湯せん)なら鍋の水を繰り返し使える。無洗米、レトルト、缶詰を活用
- 口腔ケア:少量の水やマウスウォッシュ、歯みがきシートで。災害関連死を防ぐうえで口の清潔は大切
- 洗濯は基本あきらめる。下着は使い捨てや多めの備えでしのぐ
STEP7 給水を受けに行く
- 運搬容器を用意する。ポリタンク、給水袋、ふた付きバケツ、きれいなペットボトル。リュックに入る給水袋は両手が空いて安全
- 水は重い(10リットル=約10キロ)。運べる量にとどめ、台車やキャリーカート、車を使う。高齢者だけの世帯は近所と協力する
- 容器は事前に洗い、飲用に使うものは飲用専用にする
- 受け取った水は直射日光を避け、数日で使い切る。飲用は特に早めに
復旧したときの注意
- 復旧直後は空気やサビで水が濁ったり、白く見えたりすることがあります。透明になるまで、しばらく蛇口から水を流してから使う(最初はトイレや掃除に)
- 濁りが取れない、においや色がおかしいときは、飲用・調理に使わず水道局へ連絡する
- 給湯器・浄水器・洗濯機のフィルターにゴミが詰まることがあるので確認する
- 長期間水を使っていなかった配管では、最初の水を数分流してから使うと安心です
印刷用チェックリスト
- □ 複数の蛇口を確認(家全体か一部か/冬は凍結を疑う)
- □ マンションは受水槽・ポンプの停止を管理会社に確認
- □ 水道局のサイト・SNSで断水範囲・復旧見込み・給水拠点を確認
- □ いま出る水を用途別にためる(飲用/生活用水/トイレ用)
- □ トイレは流さず携帯トイレを使う(3〜7日分/凝固剤がなければ新聞紙+二重袋)
- □ 飲み水は1人1日3L、最低3日分。足りなければ給水拠点へ
- □ 手指はアルコール、食器はラップ、洗濯はあきらめる
- □ 給水は運べる重さだけ(10L=10kg)。台車・リュック型給水袋を活用
- □ 復旧後は透明になるまで放水してから使う
紘一のひとこと:
断水を一度でも経験すると、「水よりトイレが先に困る」と身にしみます。私は携帯トイレを、家族の人数×7日ぶん、押し入れに常備しています。かさばりますが、これがあると「流していいのか」で悩まずにすむ。飲み水はローリングストックのペットボトルで回し、賞味期限が近いものから普段の料理に使っています。特別なことはしていません。
よくある質問
断水は何日くらい続きますか?
原因によって大きく違います。工事や一時的なトラブルなら数時間〜1日、大きな地震で水道管の被害が広い範囲に及ぶと、復旧まで1週間〜1か月以上かかることもあります。だからこそ「最低3日、できれば1週間」の水とトイレの備えが目安とされています。復旧見込みは水道局の発表を確認してください。
トイレはどうすればいいですか?
断水したら、まず流さずに携帯トイレ(便袋と凝固剤)を便器にセットして使います。特に地震のあとは、排水管や下水道が壊れていて汚水が逆流するおそれがあるためです。凝固剤がなければ、二重にしたポリ袋へ新聞紙やペットシーツを入れて代用します。建物と下水道の無事が確認できたら、ためた水でのバケツ流しに切り替えます。
お風呂の残り湯は飲めますか?
飲用には向きません。入浴で雑菌が入っており、煮沸しても安心とは言えないためです。残り湯はトイレを流す水、掃除、手を洗ったあとのすすぎなど生活用水として使ってください。飲用は、備蓄したペットボトルや給水拠点の水を優先します。
マンションで断水したら、まず何をすればいいですか?
受水槽・高置水槽方式のマンションは、停電でポンプが止まると断水します。まず管理会社・管理組合に連絡して原因(断水か停電か貯水槽の点検か)と見込みを確認します。あわせて、排水管の被害が分からないうちはトイレを流さず携帯トイレを使い、非常用エレベーターや階段での給水運搬に備えます。停電時の対応もあわせて確認してください。
復旧したらすぐ水を飲んでいいですか?
すぐには飲まないでください。復旧直後は配管内の空気やサビで水が濁ることがあります。透明になるまでしばらく蛇口から流し(最初の水はトイレや掃除に使う)、色・におい・濁りが正常に戻ってから飲用・調理に使います。異常が続くときは水道局に連絡してください。
まとめ
- 断水でまず困るのはトイレ。流さず携帯トイレを使う(3〜7日分を備蓄)
- 最初にやること:蛇口・元栓の確認 → いま出る水をためる → 水道局で情報確認
- 飲み水は1人1日3リットル、最低3日分。足りなければ給水拠点へ(10L=10kg、運べる量だけ)
- 手指はアルコール、食器はラップ、洗濯はあきらめる。少ない水で回す工夫を
- 復旧直後は透明になるまで放水してから使う
参考・出典:
厚生労働省「水道」(災害時の対応・応急給水)
内閣府「被害を軽減する国民運動(日常の備え)」
東京都水道局「ご家庭での備え(災害への備え)」(お住まいの水道局を参照)
政府広報オンライン「災害時のトイレ、どうする?」
最終更新日: 2026年9月6日
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この記事は「断水への備えと発生時の対応 完全ガイド」の一部です。生活用水の目安からトイレの流し方まで1ページでまとめて確認できます。
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