
はじめに:なぜ停電対策が必要なのか
皆さん、こんにちは!災害基本対策マニュアル.comへようこそ。今回は、家族を守るために絶対に知っておいてほしい「停電対策」について、詳しくお話しします。
防災世論調査によると、地震が夜間に発生し、停電となった場合に備え、照明確保のために停電時に作動する足元灯や懐中電灯などを準備していると回答した世帯は約43%と、半数に満たないという驚きの現実があります。
地震や台風といった自然災害はいつ起こるかわかりませんし、日本では地震、水害や豪雪などの自然災害や様々な原因による事故によって停電は全国各地で一年中発生する可能性があります。
実際に、2018年に関西を襲った台風や北海道胆振東部地震のブラックアウトでは数百万件規模の停電が起きています。このような大規模停電では、最大停電戸数は約4万戸で、すべての地域に電力が送られたのは地震発生から約3か月後と記録されています。
停電が発生すると、私たちの日常生活に深刻な影響を与えます。照明が使えなくなることはもちろん、スマートフォンやラジオ、照明など家電を使用することで、停電時の安否確認や生活の安全性向上に役立ちますが、電源がないとこれらも使用できません。
停電時に実際に困ること – 知っておくべきリアル
1. 基本的な生活機能の停止
冷蔵庫を開けなければしばらく保冷されているとしても、停電期間が1日以上になってくるとやはり中の食品が心配です。また、オール電化の家庭はもちろん、給湯が灯油やガスだとしても、停電していれば機器の電源が入らないため使えません。
2. 水の問題
給水ポンプが止まって断水したり、全自動トイレの電源が入らず流せなかったりと、給排水の不安もあります。マンションなどの集合住宅では、電動ポンプに依存している場合が多いため、停電と同時に断水になることも珍しくありません。
3. 情報収集の困難
災害時には最新情報の収集が生命線となります。スマートフォンやラジオは重要な情報源ですが、これらの機器は電力がなければ機能しません。特に災害時は、安否確認や避難指示など、命に関わる情報を迅速に入手する必要があります。
4. 季節による深刻な健康リスク
冬の停電は、暖房が使えず命にかかわることもあります。真夏のエアコンが使えない状況も同様に危険です。小さな子どもがいる家庭やペットを飼っている家庭の場合、停電対策はさらに重要になります。
停電時にまずやるべき5つのこと
停電が発生したら、パニックにならずに以下の手順で対応しましょう:
1. 停電範囲の確認
スマホやラジオを使って地域の情報を確認したり、近隣の家の様子や遠くの明かりを確認して、停電の規模を把握しましょう。
2. 電源プラグを抜く
使用中の電化製品の電源を切り、コンセントからプラグを抜きましょう。これは「通電火災」といって、停電から電気が復旧したときにアイロンや電気ストーブなどに通電して、その熱から火災が起きる可能性があるためです。
3. 安全の確保
懐中電灯やランタンで明かりを確保し、家族の安全を確認します。
4. 情報収集の準備
電池式ラジオで災害情報や復旧見込みを確認しましょう。
5. 水の確保
断水に備えて、浴槽や容器に水を溜めておきます。
家庭でできる停電対策の基本 – 4つのレベル別アプローチ
レベル1:最低限の備え(費用:1万円以下)
必要なもの:
– 懐中電灯(家族分)
– 電池式ラジオ
– 乾電池(大量備蓄)
– ろうそく・ライター
懐中電灯などが一家に一灯あれば安心と考えている人もいるようですが、家族で生活していると、それでは全く足りません。少なくても一人一灯、一部屋一灯は目安にするといいとされています。
パナソニックでは「一人あたり17本」を3日間過ごすための備蓄量の目安として伝えています。ライトに3本、モバイルバッテリーに12本、ラジオに2本、という計算です。
レベル2:快適性重視(費用:3〜5万円)
追加するもの:
– LEDランタン(複数)
– モバイルバッテリー(大容量)
– USB充電式ライト
– 太陽光パネル付き充電器
10,000mAh(約37Wh)のモバイルバッテリーで、LED電球(消費電力5W)を7時間程点灯させられる計算になります。
レベル3:本格的対策(費用:10〜30万円)
追加するもの:
– ポータブル電源(500Wh以上)
– ソーラーパネル
– インバーター
500Whのポータブル電源で、LEDフロアライト(消費電力5W)を100時間近く点灯できる計算になります。
レベル4:完全対策(費用:50万円以上)
導入するもの:
– 家庭用蓄電池は、屋外もしくは屋内に固定させる据え置き型の蓄電池で、設置工事の際に各部屋のコンセントや住宅設備と配線を接続してもらいます
– 太陽光発電システム
– 自家発電機
2025年最新!おすすめ防災用電源グッズ30選
ポータブル電源部門(大容量タイプ)
1. Jackery 1000 New
現状、2025年においては、このJackery 1000 Newは、業界で最高性能のポータブル電源の1つとされています。大きなポータブル電源は重くて持ち歩くのは大変の中、どうやってこんなに軽く開発できるのか、Jackeryさん本当にすごいと評価されています。
– 容量:1070Wh
– 重量:約11.5kg
– 価格帯:15-20万円
– 特徴:コンパクトで高性能、IP67防水防塵
2. EcoFlow DELTA 3 Plus
業界トップ性能のすべてを詰め込んだ防災ポータブル電源と評価されています。
– 容量:1024Wh
– 特徴:高速充電、豊富な出力ポート
3. BLUETTI AORA 100 V2
現状、すべての性能において業界トップクラスのいいとこどりポータブル電源です。
中容量ポータブル電源(日常使いにも最適)
4. Anker Solix C300
– 容量:288Wh
– 重量:約3.6kg
– 特徴:コンパクト、リン酸鉄リチウム電池
5. EcoFlow RIVER 2 Pro
有名メーカのを選択するのが安全、安心です。EcoFlowさんはポタ電では老舗メーカで実績もあります。
– 容量:768Wh
– 特徴:6倍長寿命、アプリ遠隔操作
LEDランタン・照明部門
6. パナソニック 多機能でかランタン BF-BL40K
置けばランタン、ハンドル付で持てば、懐中電灯として使える便利な2WAYです。約1500時間連続使用が可能という驚異的なスタミナを誇ります。
7. 東芝ライフスタイル センサー付きLEDランタン
MONOQLOのベストバイに選ばれたLighting EVER「ledランタン」は、防災用としてはもちろん、キャンプ用としても大活躍しています。
8. ジェントス LED ランタン EX-109D
– 明るさ:360lm
– 特徴:電池式、防水機能
モバイルバッテリー・懐中電灯部門
9. Anker PowerCore Essential 20000
– 容量:20,000mAh
– 特徴:大容量、2台同時充電
10. 手回し充電式ラジオライト
本体は手回しにて充電できるので、電気が通っていない場所でも発電が可能です。貯め込んだ電力は、モバイルバッテリーや懐中電灯として使えます。FMラジオ機能も搭載しており、災害時の情報収集に役立つでしょう。
11-15. USB充電式懐中電灯シリーズ
USB充電式の懐中電灯です。とてもコンパクトなサイズで、携帯しやすいですが、1800lmもの光量があり、とても明るく照らし出せます。
太陽光充電システム
16. Goal Zero Lighthouse Micro
わずか68gで長辺が10cm以下という軽量コンパクトさで、モバイルバッテリーとして使えるのもいいと評価されています。
17-20. ソーラーパネル付きモバイルバッテリー
巻き取り式の大型太陽光パネルを搭載した、懐中電灯型のソーラーランタンです。太陽光があれば充電できるので、電源がない場所や災害時での使用にぴったりです。
家庭用蓄電システム
21-25. 家庭用蓄電池システム
中でも全負荷型の200Vタイプは、停電時に全部屋の100V・200V機器へ電力を供給できます。オール電化住宅に住んでいる方や200V機器を複数所有している方、照明設備などの住宅設備を利用したい方などは、家庭用蓄電池を選ぶことをおすすめします。
その他の防災電源グッズ
26-30. 補助的な電源グッズ
– 乾電池式モバイルバッテリー
– 蓄光テープ
– 自動点灯ライト
– 車載インバーター
– 手回し充電ラジオ
実際の災害体験談:停電時に本当に役立ったもの
体験談1:冬の夜間停電での命綱
冬の停電は、暖房が使えず命にかかわることも。ポータブル電源があれば、ストーブを使って暖を取れます。実際の体験者の声として、「ブレーカー故障のために夜中に停電2時間を経験したけど、こんな時にポータブル電源あって本当に助かった。冬の寒い夜中でも1000Wのポータブル電源だからストーブは使える事が本当に助かった」という報告があります。
体験談2:情報収集の重要性
災害時には、電池式ラジオが情報収集の生命線となります。スマホの電源を温存しつつ、最新の災害情報や復旧見込みを入手できることが、適切な判断につながります。
体験談3:照明の工夫で家族の不安を軽減
十分な明るさのライトがあることは、停電時に不安になりがちな子どもやお年寄りの安心にもつながります。実際に、明るいランタンがあることで、家族全体の心理的な負担が大幅に軽減されたという報告が多数あります。
停電対策の工夫とテクニック
懐中電灯を活用したランタンの作り方
停電時に役立つ簡単な工夫があります。水を入れたペットボトルの下から懐中電灯の光を当てると、水とペットボトルの凸凹に光が反射して、空間を照らす明かりに変わります。また、懐中電灯に空気を入れたポリ袋をふんわりとかぶせて裾を結び、光がポリ袋に反射して、明かりが広がります。
電池の効率的な使い方
停電時はできるだけスマホを温存させたいので、情報収集などの機能はラジオで代替できると安心です。スマホは緊急時の連絡手段として電力を温存し、照明や情報収集は専用機器を使い分けることが重要です。
太陽光発電との組み合わせ効果
太陽光発電と蓄電池の組み合わせ」が最もおすすめです。太陽光発電は自然エネルギーを利用した発電方法で、太陽光を受けて発電された電力を家庭で使用することができるものです。
蓄電池があれば日中に太陽光発電で発電した電気を貯めておくことができるため、停電していても昼夜問わず電気が使えるのです。
予算別・家族構成別おすすめプラン
一人暮らし向け(予算:1-3万円)
– LED懐中電灯 × 1
– モバイルバッテリー 10,000mAh × 1
– 電池式ラジオ × 1
– 単3電池 × 20本
夫婦二人向け(予算:3-8万円)
– LEDランタン × 2
– USB充電式懐中電灯 × 2
– 大容量モバイルバッテリー × 2
– 手回し充電ラジオ × 1
– 小型ポータブル電源(200Wh程度)× 1
ファミリー向け(予算:8-20万円)
– 大容量ポータブル電源(500Wh以上)× 1
– LEDランタン × 3-4
– 懐中電灯(家族人数分)
– ソーラーパネル × 1
– 電池式・手回し式ラジオ各1台
完全対策型(予算:50万円以上)
– 家庭用蓄電池があれば、大規模停電が発生しても、停電中の電力を安定して確保できます。停電時にも普通の暮らしがしたい方は、家庭用蓄電池の導入がおすすめです。
– 太陽光発電システム
– 複数のポータブル電源
よくある失敗と注意点
失敗例1:電池の液漏れ
懐中電灯に電池を入れっぱなしにして、いざという時に液漏れで使用不能になるケースが多発しています。定期的な点検と電池の交換が必要です。
失敗例2:充電忘れ
モバイルバッテリーやポータブル電源の充電を忘れていて、停電時に使用できないという事例が頻発しています。月1回の点検日を決めて、充電状態をチェックしましょう。
失敗例3:容量不足
小型のモバイルバッテリーだけでは、家族全員のスマホ充電に対応できません。家族構成に応じた適切な容量の選択が重要です。
停電対策の維持管理・メンテナンス
月1回の点検項目
1. 懐中電灯・ランタンの動作確認
2. 電池の液漏れチェック
3. モバイルバッテリーの充電状態確認
4. ポータブル電源の動作確認
5. 予備電池の残量確認
半年に1回の点検項目
1. 古い電池の交換
2. 機器の清掃
3. 配置場所の見直し
4. 家族での使用方法の確認
年1回の見直し項目
1. 機器の買い替え検討
2. 新製品の情報収集
3. 家族構成変化に応じた調整
4. 避難経路の確認
今すぐできる3つのアクション
アクション1:現状の確認
まずは、現在ご家庭にある防災グッズを確認してください。懐中電灯の数、電池の残量、モバイルバッテリーの充電状態をチェックしましょう。
アクション2:最低限の備えを整える
一人一灯、一部屋一灯は目安として、まずは懐中電灯とLEDランタンを各部屋に配置してください。
アクション3:家族会議の実施
停電時の役割分担や避難経路、集合場所などを家族で話し合い、実際に停電を想定した練習をしてみましょう。
まとめ:安心できる停電対策で家族を守ろう
停電は「いつか起こるかもしれない」ものではなく、「必ず起こる」災害だと考えて備えることが大切です。災害が起こりやすい日本では、停電対策を積極的に行うべきと言えます。
今回ご紹介した停電対策は、段階的に実施することができます。まずは最低限の備えから始めて、徐々に充実させていくことをおすすめします。
大切なのは、「完璧な備え」を目指すよりも、「今できることから始める」ことです。ご家庭に暑さや寒さに弱い子ども、高齢者、ペットがいる方は、家庭用蓄電池があれば万が一のときでも安心です。
災害はいつやってくるかわかりません。今日からでも、できることから始めてみませんか?家族の笑顔と安全を守るために、適切な停電対策を講じていきましょう。
私たち災害基本対策マニュアル.comでは、これからも皆さんの防災対策をサポートする情報を発信し続けます。一緒に「備えあれば憂いなし」の生活を築いていきましょう!