災害大国日本で起こりうる各種災害に対する対策、実際に被災した時の対処方法、各種予想されうる困難などを解決するためのヒント集。防災グッズ紹介など。 ※本ページはプロモーションが含まれています

水害のあとで最初にやること―浸水した家の片づけ・記録・消毒と生活再建

水害のあとで最初にやること―浸水した家の片づけ・記録・消毒と生活再建

この記事の結論
浸水した家に戻ったら、片づけの前にまず安全確認(ガス・電気・建物)と被害の撮影です。泥出し→洗浄→乾燥→消毒の順を守り、写真は「り災証明」と保険請求のために広く撮っておくこと。作業はゴム手袋・長靴・マスクで、感染症とけがに注意します。急いで全部やろうとせず、電気やガスは専門業者の点検を受けてから使ってください。

浸水後の家の前で、泥のついた床を片づける準備をする人と、被害を記録するスマートフォンのイメージ

この記事は2026年9月7日時点の一般的な情報でまとめています。支援制度の要件や手続きは自治体・保険会社によって異なります。実際の申請は、お住まいの市区町村と契約先の窓口で確認してください。災害後の手続き・お金の全体像は災害のあとで:手続き・お金・支援 完全ガイドに、浸水と感染症・車のトラブルはゲリラ豪雨・冠水への備えは万全? 水につかる感染症リスクと車の水没トラブルにまとめています。

家に戻る前・戻った直後の安全確認

浸水した家は、見た目が乾いていても危険が残っています。中に入る前に次を確認します。

  1. 建物が傾いていないか、基礎や外壁に大きな亀裂・土砂の押し込みがないかを外から確認。危険を感じたら入らず、自治体に相談する。
  2. ガスのにおいがしないか。においがあれば火気厳禁、窓を開けて元栓を閉め、ガス会社へ連絡。
  3. ブレーカーは落ちているか水に浸かった家電・コンセント・配線には触れない(感電・漏電火災のおそれ)。通電は電気の点検を受けてから。
  4. 足元。泥の下にガラス片・釘・流されたものが隠れている。長靴(できれば踏み抜き防止インソール)で。

ガス・電気は、いったん止まったら自己判断で復帰させず、ガス会社・電力会社・電気工事店の点検を受けてから使ってください。停電・断水直後の動きは停電したら最初にやること断水したら最初にやることに。

片づけの前に「被害を撮影」する

り災証明書の申請や保険の請求では、片づける前の状態の写真がものを言います。泥を出してしまうと浸水の深さが分からなくなるので、掃除の前に撮ります。

  • 家の外観を四方向から。表札や住所が分かるものも一緒に。
  • 浸水の高さが分かる位置(壁の水の跡に メジャーや新聞紙を当てて、床からの高さが写るように)。部屋ごとに撮る。
  • 被害を受けた家財(家電・家具・畳・床・壁)。品名・型番が分かるものはアップでも。
  • 浸水したがあれば、ナンバーと車内の水の跡も。
  • 撮影した日付が残るよう、スマホの日時設定を正しくしておく。

「これくらい撮れば十分」と思う倍は撮っておくのがコツです。あとから「あの部屋も撮っておけば」となりがちです。

泥出し→洗浄→乾燥→消毒の順で片づける

順番が大切です。汚れが残ったまま消毒しても効果が下がり、乾く前に消毒すると意味がありません。

  1. 泥・水の排出
    スコップ・チリトリ・バケツで泥をかき出す。畳や水を吸った断熱材、濡れた家財は運び出す(あとで撮影済みのものから)。
  2. 水洗い・拭き取り
    床・壁・家具を水と中性洗剤で洗い、汚れを落とす。泥は乾くと細かい粉になって舞うので、乾く前に。
  3. 乾燥(いちばん重要で時間がかかる)
    窓や床下点検口を開け、扇風機・サーキュレーター・除湿機で数日〜数週間かけて乾かす。床下・壁の中まで乾かさないとカビと腐朽が進む。
  4. 消毒
    乾いたら、汚れの程度に応じて消毒。食器・流し台・浴槽など手や口に触れる場所は次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤でも可)を0.02%に薄めて拭く。家具・床は0.1%。屋外や汚れがひどい場所は消石灰や逆性石けんを使う場面もある。使い方は厚生労働省・自治体のリーフレットに従う。

作業時の身を守る装備:ゴム手袋(厚手)、長靴、マスク(できれば防じんマスク)、ゴーグル、長袖長ズボン。傷口は覆う。作業後は手洗い・うがい。発熱・下痢・傷の化膿・破傷風が心配な症状が出たら、早めに受診してください。

参考: 厚生労働省「被災した家屋での感染症対策」

り災証明書・保険・支援のために動くこと

生活の再建には、まず被害を公式に認めてもらうことが必要です。並行して進めます。

  1. り災証明書を申請する
    市区町村の窓口へ。自治体職員が住家の被害を調べ、全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊・準半壊に至らない(一部損壊)などの区分で判定します。水害は浸水の深さが判定の目安になるため、撮影した写真が役立ちます。判定に納得できないときは再調査を依頼できます。
  2. 加入している保険を確認して連絡する
    火災保険の「水災」補償に入っていれば、床上浸水や一定の浸水深で保険金の対象になることがあります。契約内容(水災あり/なし、免責、支払い基準)を確認し、保険会社に連絡。片づけ前の写真と、できれば被害個所を残した状態での立ち会いを。
  3. 公的支援を調べる
    被災者生活再建支援金、災害救助法による応急修理、災害援護資金の貸付、義援金など。り災証明の被害区分で受けられる制度が変わります。自治体の窓口や「被災者支援制度」の案内で確認を。
  4. 片づけで出た災害ごみ
    自治体が指定する仮置き場・分別方法・搬入期間の案内に従う。便乗した不正な回収業者に注意。

手続きの全体像と必要書類は災害のあとで:手続き・お金・支援 完全ガイドにまとめています。

参考: 内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」(PDF)

詐欺・便乗商法に注意

被災地では、こんな手口が毎回のように出ます。落ち着いて対応してください。

  • 「今すぐ契約すれば保険で全額直せる」と迫る屋根・外壁の修理業者。その場で契約せず、複数の見積もりを取り、保険会社に相談する。
  • 「消毒します」「災害ごみを回収します」と訪問し高額請求する業者。自治体の案内にある方法・業者かを確認。
  • 自治体職員をかたる還付金詐欺・義援金の名目での振り込み要求。役所がATM操作を求めることはない。

契約してしまっても、訪問販売ならクーリング・オフできる場合があります。消費者ホットライン188に相談を。

印刷用チェックリスト:浸水した家に戻ったら

【入る前・直後】

  • □ 建物の傾き・亀裂・土砂を外から確認した
  • □ ガスのにおいを確認(あれば火気厳禁・元栓・連絡)
  • □ ブレーカーは切ったまま。濡れた家電に触れない
  • □ 長靴・厚手ゴム手袋・マスク・長袖を着けた

【片づけ前】

  • □ 家の外観を四方向から撮影した
  • □ 部屋ごとに浸水の高さが分かる写真を撮った(メジャーを当てて)
  • □ 被害家財・家電の型番を撮った/浸水した車も撮った

【片づけ】

  • □ 泥出し → 水洗い → 乾燥(数日〜数週間) → 消毒 の順で進めた
  • □ 消毒液は用途ごとに濃度を変えた(食器類0.02%/床・家具0.1%)
  • □ 災害ごみは自治体の分別・仮置き場の案内に従った

【手続き】

  • □ り災証明書を申請した
  • □ 保険会社に連絡した(水災補償の有無を確認)
  • □ 受けられる公的支援を自治体窓口で確認した
  • □ 不審な業者・訪問には即答せず、必要なら188に相談した

よくある質問

床下浸水でした。消毒は必要ですか?

床下浸水でも、泥や下水が入り込んでいれば泥出しと乾燥は必須です。乾かさないとカビ・木材の腐朽・シロアリの原因になります。消毒は、汚水の混入があった場合や、乾いてもにおいが残る場合に、乾燥後に行います。床下は乾きにくいので、点検口を開けて送風・除湿を長めに続けてください。判断に迷えば自治体の相談窓口へ。

畳や家電は捨てるしかないですか?

水を吸った畳・断熱材・石こうボードは、乾かしても元に戻りにくく、カビの温床になるため交換が基本です。家電は、水に浸かったものは内部の腐食やショートのおそれがあり、通電せずメーカー・販売店に相談してください。いずれも処分する前に写真を撮り、り災証明・保険請求の記録を残してから搬出します。

り災証明書は急がなくても大丈夫ですか?

申請期限は自治体ごとに定められており(災害発生から一定期間内が多い)、期限を過ぎると受けられない支援もあります。被害の写真さえ残しておけば、片づけを進めてから申請しても判定は可能なことが多いですが、早めに窓口へ相談し、期限と必要書類を確認しておきましょう。

賃貸住宅が浸水しました。片づけや修理は誰がしますか?

建物本体・設備の修理は基本的に貸主(大家・管理会社)の負担、室内の家財はご自身の家財保険の対象、という切り分けが一般的です。まず管理会社に連絡して指示を仰ぎ、勝手に大きな工事を発注しないこと。自分の家財の被害は写真を撮り、加入していれば家財保険に連絡します。り災証明は、居住していれば賃貸でも申請できます。

ボランティアに片づけを手伝ってもらえますか?

災害の規模に応じて、市区町村の社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを開設します。泥出しや家財の運び出しなどを依頼できます。受付方法・対象地区は各センターの案内に従ってください。無理をせず、人手を借りられるところは借りて、体を壊さないことを優先してください。

まとめ

  • 家に入る前に建物・ガス・電気・足元を確認。濡れた家電に触れず、通電・ガス使用は点検後。
  • 片づけの前に被害を撮影。外観、部屋ごとの浸水の高さ、家財の型番、車。思う倍撮る。
  • 片づけは泥出し→洗浄→乾燥→消毒の順。乾燥がいちばん重要で時間がかかる。装備で身を守る。
  • り災証明・保険・公的支援を並行して進める。被害区分で使える制度が変わる。
  • 修理業者・回収業者・還付金の詐欺に注意。即答しない、188に相談。

紘一のひとこと:
被災した直後は「早く元どおりにしたい」という気持ちで、つい写真も撮らずに片づけを始めてしまいます。私も震災のあと、記録を残すことにまで頭が回りませんでした。でも、あとから支援や保険の手続きで必要になるのは、その一枚の写真です。そして、いちばん大事なのは体を壊さないこと。全部を一日でやろうとせず、人手を借り、休みながら進めてください。焦らなくて大丈夫です。

参考・出典:
厚生労働省「被災した家屋での感染症対策」
内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」(PDF)
内閣府「被災者生活再建支援法」
気象庁「防災情報(警報・注意報・キキクル)」

最終更新日: 2026年9月7日


※本サイトは、東日本大震災を経験した設定の運営者が独学で集めた防災知識を発信する個人ブログです。医療・法律・行政の専門的判断が必要な場合は必ず専門機関・自治体の情報をご確認ください。支援制度・保険・り災証明の要件は自治体・契約先により異なります。実際の手続きは必ず窓口でご確認ください。

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