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台風は自分では動けない?名前の付け方など、知っているようで知らない台風の豆知識

台風は自分では動けない?名前の付け方など、知っているようで知らない台風の豆知識

先日、熊本地震アンテナページで台風13号の進路を追いかけているうちに、ふと「そういえば台風の名前って、誰がどうやって決めているんだろう」と気になりました。
前回の台風の基礎知識の記事では「強さ」「大きさ」「進路予報の見方」といった、いわば実用編をまとめました。今回はその番外編として、知っているようで知らない台風の豆知識を、気象庁などの公式情報をもとに集めてみます。

防災に直結する話ばかりではありませんが、こういう小さな「へえ」が積み重なると、台風のニュースを見る目が少し変わってきます。猛暑や余震の合間の、息抜きのつもりで読んでいただけたら嬉しいです。

台風の名前は「号数」だけじゃない

日本のニュースで聞くのは、もっぱら「台風13号」のような号数です。これはその年に発生した順番につけられる、日本独自の呼び方になります。

実は台風には、号数とは別に国際的な「アジア名」という愛称も付けられています。あらかじめ用意された140個の名前リストから、発生順に繰り返し使われる仕組みです。このリストは、日本・韓国・中国・アメリカなど14の国と地域が加盟する「台風委員会」が管理しており、加盟国・地域がそれぞれ10個ずつ名前を持ち寄っています。

台風委員会に加盟する14の国や地域が提案した各10個の呼名から、決まった順番で繰り返し使用される。実際に台風の発生を解析して命名を担当しているのは、世界気象機関(WMO)に指定された地域特別気象中枢である日本の気象庁。

面白いのは、日本が提案した10個の名前がすべて星座の名前だということです。「やぎ」「うさぎ」「かじき」「かんむり」「くじら」「こぐま」「コンパス」「とかげ」「はと」「テンビン」――言われてみると、どこかで見た覚えがある方も多いのではないでしょうか。

参考: ウェザーニュース「台風の名前はどうやって決める? 日本など提案のアジア名140個の呼名リスト」

満天の星空と台風の雲の渦を描いた水彩画風イラスト

甚大な被害を出した台風の名前は「引退」する

140個のリストは基本的に使い回されますが、大きな被害をもたらした台風の名前は、そのまま除外されるという決まりがあります。同じ名前を再び使うと、被災した国・地域の方にとって辛い記憶が呼び起こされたり、情報が混同されたりするおそれがあるためです。

例えば2013年にフィリピンを襲い、死者・行方不明者およそ7,300人という甚大な被害を出した台風「ハイエン」は、その後リストから除外され、代わりに中国が提案した新しい名前が加えられています。

名前が一つ消えるということは、それだけ大きな災害があったということでもあります。ニュースで台風の名前が話題になったときは、その裏にこうした仕組みがあることも、少し思い出していただけたらと思います。

参考: ウェザーニュース「台風の名前リストが更新 日本提案のアジア名も一部が新しい呼名に」

台風は、実は自分の力ではほとんど動けない

これは私が個人的に一番「へえ」と思った話です。台風は、自分自身の力で進路を選んで進んでいるわけではありません。周りに吹いている風に乗って、いわば「流されて」移動しています。

台風が生まれる低緯度の海上では、貿易風(偏東風)と呼ばれる東寄りの風が常に吹いています。発生したばかりの台風は、まずこの風に乗って西へ進んでいきます。
その後、緯度が上がって中緯度あたりまで来ると、今度は上空を吹く偏西風の影響を強く受けるようになり、進路を北東寄りに変えることが多くなります。台風のニュースでよく見る「弧を描くようなカーブ」は、この風の受け渡しによって起きているわけです。

台風は他の台風以外にも気圧の谷や高気圧、偏西風などの影響も受ける。

さらに、太平洋高気圧が張り出している時期は、その縁(ふち)に沿うように台風が進むこともよくあります。今回の台風13号も、日本本土の南を回り込むように東シナ海から中国大陸へ進みましたが、これも太平洋高気圧の張り出し具合と、貿易風・偏西風の受け渡しのタイミングが影響した結果と考えられます。
進路予報が難しいのは、こうした複数の風の影響が複雑に絡み合っているからでもあります。

参考: 気象庁「予報用語(台風に関する用語)」

風の流れに乗って進んでいく台風の雲の渦を俯瞰で描いた水彩画風イラスト

台風・ハリケーン・サイクロンは、実は同じもの

ニュースで「アメリカにハリケーン上陸」「インドでサイクロン接近」といった言葉を聞くことがあると思いますが、台風もハリケーンもサイクロンも、気象学的には同じ「熱帯低気圧」です。発生する海域と、風速の基準によって呼び方が変わっているだけになります。

台風は北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち最大風速がおよそ17m/s以上のもの。ハリケーンは北大西洋、カリブ海、メキシコ湾および北東太平洋東部に存在する熱帯低気圧のうち最大風速がおよそ33m/s以上のもの。サイクロンは北インド洋(ベンガル湾やアラビア海など)に存在する熱帯低気圧のうち最大風速がおよそ17m/s以上のもの。

つまり同じ強さの嵐でも、生まれた場所が違うだけで呼び名が変わるということです。海外のニュースで「ハリケーン」「サイクロン」という言葉を見かけたときは、「台風の仲間の話をしているんだな」と思っていただくと分かりやすいかと思います。

参考: 気象庁「台風について(よくある質問)」

紘一のひとこと:
台風は自分では動けない、と知ったとき、なんとなく台風に対する印象が変わりました。人間と同じで、大きくて強そうに見えても、実は周りの環境に大きく左右されている。台風の進路がなかなか予報どおりにいかないのも、こう考えると納得がいきます。名前の話も含めて、今回は雑学寄りの内容でしたが、こういう小さな知識が「なぜこの進路になったんだろう」と自分で考えるきっかけになれば嬉しいです。

まとめ

  • 台風には号数のほかに、140個のリストを繰り返し使う国際的な「アジア名」がある。日本提供の10個はすべて星座の名前
  • 甚大な被害を出した台風の名前は、リストから除外される「引退」制度がある(例: 2013年フィリピンの「ハイエン」)
  • 台風は自分の力ではほとんど動けず、貿易風(偏東風)→偏西風と、周囲の風に乗り換えながら進路を変えている
  • 台風・ハリケーン・サイクロンは、気象学的には同じ「熱帯低気圧」。発生海域と風速の基準で呼び名が変わるだけ

参考・出典:
ウェザーニュース「台風の名前はどうやって決める? 日本など提案のアジア名140個の呼名リスト」
ウェザーニュース「台風の名前リストが更新 日本提案のアジア名も一部が新しい呼名に」
気象庁「予報用語(台風に関する用語)」
気象庁「台風について(よくある質問)」

関連記事:
👉 台風とは?発生の仕組みから「強さ」「大きさ」の分類、進路予報の見方まで基礎知識
👉 【随時更新】令和8年熊本地震 最新情報まとめ(被害状況・避難所・給水情報)

最終更新日: 2026年8月9日


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