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エルニーニョ現象とは?発生の仕組みから「メガエルニーニョ」の可能性、日本への影響まで徹底解説

エルニーニョ現象とは?発生の仕組みから「メガエルニーニョ」の可能性、日本への影響まで徹底解説

2026年8月13日、米気候予測センター(CPC)が「エルニーニョ現象が北半球の秋から冬にかけて『非常に強い』事象となる確率が90%を超えた」と発表しました。さらに10〜12月期には、1950年以降で観測史上最大級の強さになる確率が69%にのぼるとしています。

海外の専門家の間では、今回のエルニーニョは「スーパー」をも通り越し、「メガエルニーニョ」と呼べるレベルにまで発達する可能性があるとの指摘も出ています。私自身、東日本大震災を経験してから「聞き慣れない現象ほど、正しく知っておくことが備えになる」と痛感してきました。今回は、エルニーニョ現象とは何か、なぜ起きるのか、そして日本にはどんな影響があるのかを、気象庁など公式情報をもとに一つの記事にまとめてお伝えします。

エルニーニョ現象とは何か

気象庁の定義によると、エルニーニョ現象とは「太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高い状態が続く現象」です。具体的には、監視海域(北緯5度〜南緯5度、西経150度〜90度)で平均した海面水温の「監視指数」(基準値との差)の5か月移動平均値が+0.5℃以上の状態で6か月以上持続した場合に、エルニーニョ現象が発生したと判定されます。

反対に、この海域の海面水温が平年より低い状態が続く現象は「ラニーニャ現象」と呼ばれ、エルニーニョとは逆の影響を世界にもたらすことが知られています。

参考: 気象庁「エルニーニョ監視速報」

なぜ起きる?発生のメカニズム

太平洋の赤道付近には、通常「貿易風」と呼ばれる東風が吹いており、この風が海面付近の暖かい海水を太平洋の西側(インドネシア付近)へ吹き寄せています。そのため平常時は太平洋の西側に暖水が蓄積し、東側(南米沖)は水温が低めになっています。

この貿易風が何らかのきっかけで弱まると、西側に溜まっていた暖水が東側へ広がっていき、太平洋の中部から東部にかけて海面水温が上昇します。これがエルニーニョ現象です。気象庁によれば、西部太平洋で一時的に強い西風が吹く「西風バースト」という現象が発生のきっかけになっていることが多いとされていますが、発生そのものの引き金はまだ十分に解明されていません

参考: 気象庁「エルニーニョ/ラニーニャ現象とは(よくある質問)」

エルニーニョ現象の発生メカニズム(平常時と発生時の太平洋の海面水温の違い)を示す図解

「スーパー」を超え「メガ」へ?2026年の状況

エルニーニョには強さによる呼び方の違いがあります。ウェザーニュースの解説によると、基準海域の海面水温偏差が3か月平均で+2℃以上に達した状態が「スーパーエルニーニョ」と定義されており、これまでに1982〜83年、1997〜98年、2015〜16年の3回しか確認されていない稀な現象です。

気象庁が2026年8月10日に発表した監視速報によれば、7月の監視海域の海面水温は基準値より+2.5℃高く、7月としては1950年以降で1997年と並んで最も大きい値となりました。大気海洋結合モデルによる予測では、冬にかけてさらに水温が上昇し、1997年に匹敵する値になると見込まれています。エルニーニョ現象は「今後、冬にかけて続く見込み(確率100%)」とされています。

こうした状況を受け、米気候予測センターは前述の通り「非常に強い」事象となる確率90%超、観測史上最大級となる確率69%と発表しました。海外では、Severe Weather Europeなどが「近代史上最強のエルニーニョとなり、1877〜78年の記録的なエルニーニョ現象を上回る可能性がある」と警鐘を鳴らしていると報じられています(海外メディアindeep.jpより)。ただし、これはあくまで現時点の予測・専門家の見解であり、確定した未来ではないことには留意が必要です。

参考: 日本気象協会 tenki.jp「エルニーニョ監視速報」(2026年8月10日)Yahoo!ニュース(ロイター)「エルニーニョ、非常に強くなる確率90%超=米気候予測センター」(2026年8月13日)ウェザーニュース「スーパーエルニーニョの可能性」

エルニーニョ・スーパーエルニーニョ・メガエルニーニョの強さの分類を示すカード型図解

過去の教訓 ― 1997〜98年、そして1877〜78年

直近のスーパーエルニーニョである1997〜98年は、世界各地で干ばつ・洪水・森林火災を引き起こし、世界中で6000万人以上が被害を受けたとされる規模の大きな現象でした。当時の監視海域の海面水温は1997年12月に基準値より+3.6℃を記録し、1950年以降で最大となっています。

さらに時代をさかのぼると、1877〜78年にも記録的なエルニーニョが発生し、インド・中国・ブラジルなどで世界的な大飢饉により5000万人以上が死亡したとされています。当時の世界人口(約14億人)に対する比率で見ると、これは人口の3〜4%に相当する規模です(海外メディアindeep.jpの報道による)。

もっとも、現代は当時に比べて農業技術・灌漑・国際的な食料支援の仕組みが大きく進歩しており、同じ規模の被害がそのまま再現される可能性は低いと考えられます。一方で、燃料・肥料価格の変動など現代特有のリスク要因が重なると、農業・食料価格への影響が広がりやすいとの指摘もあります。過去の事例は「絶対にこうなる」という予言ではなく、備えの参考として受け止めるのが適切です。

参考: 気象庁「1997/98年のエルニーニョ現象(よくある質問)」indeep.jp「エルニーニョが『スーパー』を超えて『メガ』になりつつある」

世界への影響 ― 干ばつ・大雨・食料価格

エルニーニョ現象が発生すると、世界各地の天候パターンが変化します。太平洋赤道域の東側(南米沿岸)では通常より雨が増える一方、インドネシアやオーストラリア、東南アジアなど西側の地域では干ばつが起こりやすくなる傾向があります。気温や海面水温の上昇に伴って大気中の水蒸気量が増えるため、大雨や熱波など極端な気象現象も発生しやすくなるとされています。

過去のスーパーエルニーニョ(2015〜16年)では、東南アジアで記録的な干ばつが発生し、国際砂糖価格が一時2倍近くまで上昇した事例があります。農業・漁業への打撃は、巡り巡って食品価格という形で私たちの生活にも影響し得るということです。

参考: ウェザーニュース「スーパーエルニーニョの可能性」

日本への影響 ― 台風・気温・大雨のリスク

気象庁によれば、エルニーニョ現象が発生した年の日本は、夏は太平洋高気圧の張り出しが弱く「冷夏」、冬は西高東低の気圧配置が弱まり「暖冬」になりやすい傾向があるとされています。ただし、これはあくまで統計的な傾向であり、地球温暖化による気温の底上げや偏西風の位置など、他の要因も絡み合って実際の天候が決まります。

実際、ウェザーニュースの分析では、地球温暖化との相乗効果で「エルニーニョの夏は冷夏」という従来の傾向が崩れつつあるとも指摘されており、2026年の日本の気温は平年より+0.75〜+1.2℃高いと予測されています。

台風についても注意が必要です。2026年の台風発生数は平年(約25個)を上回る28個程度と予測されており、発生場所が平年より東寄りになることで、日本に直接接近・上陸するルートをたどる台風が増えるリスクがあるとされています。冬にかけては、暖冬傾向で大雪のリスクが下がる地域がある一方、寒気の入り方によっては日本海側でまとまった降雪が起こる年もあり、「暖冬だから安心」と単純には言えない点にも注意が必要です。

参考: ウェザーニュース「スーパーエルニーニョの可能性」

エルニーニョ現象が日本に与える影響(台風・気温・大雨大雪・食料価格)をまとめた図解

専門家はこう言っている

米気候予測センターは2026年8月13日、エルニーニョ現象について次のように発表しています(ロイター報道より)。

エルニーニョ現象が一段と強まっており、北半球の秋から冬にかけて「非常に強い」事象となる確率が90%を超えている。2026年10月〜12月期には、1950年以降の過去のエルニーニョを上回る歴史的な強さとなる確率が69%ある。

海外では、気象専門メディアのSevere Weather Europeが、今回のエルニーニョについて次のように指摘していると報じられています(indeep.jp経由)。

近代史上最強のエルニーニョ現象となり、1877〜78年の記録的なエルニーニョ現象を上回る可能性が示唆されている。

参考: Yahoo!ニュース(ロイター)「エルニーニョ、非常に強くなる確率90%超=米気候予測センター」indeep.jp「エルニーニョが『スーパー』を超えて『メガ』になりつつある」

紘一のひとこと:
「メガエルニーニョ」という強い言葉を見ると、つい不安になってしまいますよね。私も最初は身構えました。でも調べてみると、これはまだ「非常に強くなる確率が高い」という予測であって、確定した未来ではありません。大切なのは、過度に怖がることでも、逆に「自分には関係ない」と聞き流すことでもなく、「今年の夏は暑くなりやすい」「秋以降は台風や大雨に普段以上に注意する」という具体的な備えにつなげることだと思います。気象庁の監視速報は毎月更新されるので、このページも今後の発表に合わせて随時アップデートしていきます。

まとめ

  • エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域中部〜東部の海面水温が平年より高い状態が6か月以上続く現象。貿易風が弱まり、暖水が東側へ広がることで発生する
  • 2026年7月の海面水温は基準値より+2.5℃(1997年と並び観測史上最大級)。冬にかけて1997年に匹敵する水準まで強まる見込み(気象庁)
  • 米気候予測センターは「非常に強い」事象となる確率90%超、観測史上最大級となる確率69%と発表(2026年8月13日)
  • 海外では「スーパー」を超え「メガエルニーニョ」と呼べる水準になる可能性も指摘されているが、あくまで予測段階であり過信は禁物
  • 世界的には干ばつ・大雨・食料価格高騰のリスク、日本では台風の接近・上陸増加、暖冬傾向、局地的な大雪や大雨への注意が必要

参考・出典:
気象庁「エルニーニョ監視速報」
気象庁「エルニーニョ/ラニーニャ現象とは(よくある質問)」
気象庁「1997/98年のエルニーニョ現象(よくある質問)」
日本気象協会 tenki.jp「エルニーニョ監視速報」(2026年8月10日)
Yahoo!ニュース(ロイター)「エルニーニョ、非常に強くなる確率90%超=米気候予測センター」(2026年8月13日)
ウェザーニュース「スーパーエルニーニョの可能性 温暖化との相乗効果で台風接近増や食料価格高騰のリスク」
indeep.jp「大量飢餓の別の要因:エルニーニョが『スーパー』を超えて『メガ』になりつつある」

最終更新日: 2026年8月15日


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