「そなえるノート」1本目の防災コラムは、あらゆる災害対策の土台となる「地震そのものの仕組み」からお伝えします。
対策を考える前に、まず「なぜ地震は起こるのか」「どんな種類があるのか」を知っておくと、ニュースで流れる情報の意味がぐっとわかりやすくなります。
地震が起こる基本的な仕組み
地球の表面は、複数の硬い岩盤(プレート)で覆われていて、それぞれが年に数センチというゆっくりとした速さで動いています。
このプレート同士が押し合ったり、片方が片方の下に沈み込んだりする中で、岩盤には少しずつ「ひずみ(力)」が蓄積されていきます。
そのひずみが限界を超えると、岩盤が耐えきれなくなって一気にずれ動きます。
このとき蓄積されていたエネルギーが一気に放出され、周囲に揺れとして伝わる。これが地震の基本的なメカニズムです。

地震の主な3つの種類
地震と一口に言っても、発生する場所やメカニズムによっていくつかの種類に分けられます。ここでは代表的な3タイプを紹介します。
①海溝型地震
海溝(海のプレートが陸のプレートの下に沈み込む場所)付近で発生する地震です。
海側のプレートが陸側のプレートを引きずり込み、限界に達すると陸側のプレートが跳ね返るように動きます。震源が海底にあるため、海面が持ち上げられて津波を引き起こすことがあるのが大きな特徴です。南海トラフ地震や東日本大震災は、このタイプにあたります。
②内陸型地震(活断層地震)
陸地の地下にある「活断層」がずれ動くことで発生する地震です。
震源が比較的浅いため、震源の真上付近では非常に強い揺れになりやすいという特徴があります。海溝型に比べて影響範囲は狭い傾向がありますが、都市の直下で発生すると甚大な被害につながる可能性があり、決して軽視できません。阪神・淡路大震災や熊本地震は、この内陸型にあたります。
③火山性地震
火山の地下でマグマが移動したり、熱水活動が活発になったりすることで発生する地震です。噴火の前兆として観測されることもあり、火山周辺では継続的に監視が行われています。
気象庁の資料によれば、地震は発生場所やメカニズムによって「海溝型」「内陸型(活断層型)」「火山性」などに分類され、それぞれ揺れ方や津波の有無といった特徴が異なるとされています。
参考: 気象庁「地震の種類」

「マグニチュード」と「震度」の違い
ニュースでよく耳にする「マグニチュード」と「震度」ですが、この2つは意味がまったく違います。
マグニチュードは、地震そのものが持つエネルギーの大きさを表す数値です。震源で発生したエネルギーの規模なので、一つの地震に対してマグニチュードの値は一つだけ決まります。
一方、震度は、ある地点で「どれくらい揺れたか」を表す数値です。同じ地震でも、震源に近い場所ほど震度は大きくなり、遠い場所では小さくなります。つまり、同じマグニチュードの地震でも、震源からの距離や地盤の性質によって、場所ごとに震度は大きく変わってくるということです。
「マグニチュードが小さいから安心」とは限らず、震源が浅く自分の住んでいる場所に近い場合は、マグニチュードの数値以上に強い揺れを感じることもあります。
どんな時に地震は起こりやすいのか
地震は基本的に、いつどこで発生するか正確に予測することはできません。
ただし、知っておくと役立つパターンがいくつかあります。
一つは「本震-余震型」と呼ばれるパターンです。
大きな地震(本震)の後には、規模の小さい地震(余震)が続けて発生することが多く、本震直後の数日間は特に警戒が必要とされています。
もう一つは「前震-本震-余震型」です。
本震の前に、比較的小さな地震(前震)が発生するケースもあり、熊本地震(2016年)では、この前震-本震型のパターンが見られました。
このケースでは、最初の大きな揺れの後に「これで終わりだろう」と考えて片付けを始めた矢先、さらに規模の大きな本震が発生し、被害が拡大したという指摘もあります。
「小さい地震が来たから、もう大丈夫」と決めつけず、揺れを感じたときは常に「次に、より大きな揺れが来るかもしれない」という意識を持っておくことが大切です。
こうした地震の発生パターンは、あくまで過去の事例から見えてきた傾向であり、すべての地震に当てはまるわけではありません。それでも、一つの目安として知っておくことで、揺れの後の行動判断に役立つはずです。
まとめ
- 地震は、プレートの動きによって岩盤に蓄積されたひずみが、限界を超えて一気に解放されることで起こる
- 主な種類は「海溝型」「内陸型(活断層型)」「火山性」の3つ
- 海溝型は津波、内陸型は直下での強い揺れに注意が必要
- 大きな地震の後は、余震や次の本震への警戒を続けることが重要
次回は、「なぜ日本はこれほど地震が多いのか」について、プレートの構造から詳しく解説していきます。
📖 次の記事:
なぜ日本はこんなに地震が多いのか?4つのプレートが集まる特殊な場所
紘一のひとこと:
地震の仕組みを知らずに「揺れたら怖い」で終わらせてしまうのは、正直もったいないと感じています。僕自身、被災した当時は「なぜこんなことが起きたのか」を全く理解できないまま、ただ混乱していました。仕組みを知ることは、次に何をすべきか判断する土台になります。運営者プロフィールはこちら
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