年明けから天変地異やら大事故が続いている2024年。
大地震だけで、既に気が滅入るのに、立て続けに大きな出来事が発生しています。
そして、1月14日の0時22分に、今度は鹿児島にある諏訪之瀬島が噴火したとの緊急速報が入っています。
地震が多いことの要因の一つとして、日本は火山が多いことでも知られ、特に九州にはしょっちゅう噴火しているような活火山が複数あります。
地元の人としてはある程度慣れがあるかもしれませんが、今回の諏訪之瀬島については警戒レベル3が発令されたということで、改めて火山が噴火した時に、我々はどう行動すればいいかをこの記事で見ていきます。
火山災害対策と避難生活の準備
火山の噴火は私たちにとって予期せぬ自然災害の一つです。
その危険と向き合いながらも、万一の事態に備えるためには、具体的な行動計画を立て、必要な準備を整えておくことが非常に重要です。
火山災害が発生した際に、迅速かつ安全に避難するための手順を知っておくことは、自身と家族の命を守るために不可欠です。
防災グッズを予め準備し、火山災害にしっかりと備えておくことで、心穏やかに日常生活を送るための一助となるでしょう。
火山噴火時の4つの対処法
ここでは、噴火時に必要とされる4つの対処法を挙げます。
1.避難
まず、火口付近から避難することです。
登山中など、火口に近い場所にいる場合は、火砕流や泥流の脅威から迅速に逃れることが求められます。
さらに、火山灰による健康被害を避けるためには、目や喉を保護し、吸入を防ぐことも重要です。
建物や岩陰などの安全な場所への避難も視野に入れ、交通事故が起きやすい状況下では周囲の状況にも警戒を怠らないことが求められます。
火砕流や泥流は、時に数百℃に達する高温で、速度も時速60km以上と非常に速いため、火口近くの危険な地形を避けて安全な地域へと移動するべきです。
2.火山灰に起因する健康被害の回避
火山が噴火すると、大量に発生するのが火山灰です。
火山灰が目や呼吸器官に入ってしまわないように注意するほか、灰だけでなく小さなガラス片や鉱物結晶片にも注意しなければなりません。
そのための対策としては、口と鼻を覆い、目を保護するためのゴーグルの使用が推奨されています。
私たちの毎日の生活において、火山の活動が直接的な影響をもたらすことは少ないかもしれませんが、火山が大量の灰を放出した際には、健康に対する多少の危険性があります。
このような状況下で、主に気道、目、そして皮膚などに不快感や影響を与えることがありますが、実際に健康被害を起こす可能性は非常に低いとされています。
それでも、もしものときに備えて、火山灰から目を保護するために、眼鏡かゴーグルの着用をし、またコンタクトレンズは外しておくのが賢明です。
一方で、気道への影響を避けるためには、マスクを使用するか、ハンカチやタオルで口と鼻を覆うことが望ましいと言えます。
3.火山灰対策・処理方法
また、火山灰を防ぐために、建物の窓をしっかりと閉めておくことも大切です。
もし体に火山灰が付着してしまった場合には、大量の水で洗い流すか、屋外で軽く叩いて落とすという手法が効果的ですが、この際に注意していただきたいのは、処理方法についてです。
火山灰は、水を含むと重くなり粘着性が高まるため、下水道へ流すと排水管を詰まらせる原因になりかねません。
そのため、灰の処理は、火山灰の回収を行う自治体の指示に従い、不要な場所に蓄積されないように注意しながら、集めておくのが一般的です。
4.噴石対策
火山の噴火が発生した場合には、噴石が飛来する危険性があります。
これらの岩石は最大で20~30センチメートル以上に達することがあり、直撃すれば命に関わる危険性が高まります。
安全を確保するためには、固いコンクリート製の建物や岩の陰に避難し、身の安全を確保することが肝心です。
さらに、大きな荷物などで体を保護すると、より安全性が高まります。
車やバイクでの移動中には、火山灰の影響で視界の悪化や道路の滑りやすい状況が発生するため、交通事故にも気をつけなければなりません。
火山灰の降下時や降下後の運転は特にリスクが高いことを理解し、運転を控えるか、最大限の注意を払うべきです。
火山噴火時の交通手段
火山が噴火した際には、地域の安全確保のため、様々な対策が必要となります。
その中でも特に重要なことの一つとして、避難時の交通手段の選択が挙げられます。
火山灰が舞うような状況になった場合には、自動車やバイクの使用に対して特に注意が必要となります。
具体的には、特に避難所までの距離が遠く、かつ身近な家族に歩行が困難な方がいないといった状況でない限り、火山灰の中を車で運転することは避けるべきです。
視界が悪くなったり、火山灰が路上に降り積もると路面の状態も悪くなり運転がしにくい状態になります。
しかし、現実には噴石発生後に適切な避難を図る時間はほとんどなく、噴火の兆候を感じたその時に避難を始めるのが最善だということになります。
日頃からの火山活動と噴火後の状況を見て、適切な避難方法を選ぶことが求められます。
火山活動の危険性とその対策
火山活動によって、火口周辺では温度が非常に高くなることがあり、最低でも100℃を下回ることはまれで、場合によっては1000℃を超える高温に達することも珍しくありません。
また、火山ガスの危険性もあります。
これは火山活動の際に噴出する有毒ガスのことを指し、火口や噴気孔から放出されることが知らされています。
これらの高温環境に身をさらすことは、生命にとって著しく危険性が高いです。
その一方で、噴出される火山ガスについては、水蒸気が主成分を占めているため、毒性の面では多少安心感があります。
しかし、水蒸気と一緒に吹き出される二酸化硫黄や硫化水素などのガスは、これらを吸い込むことにより人体に害を及ぼす可能性が高いため、これらのガスが長期に渡り噴出し続ける場合には、緊急避難が求められることがあります。
火砕流は、火山の噴火に伴って発生する現象で、空気、水蒸気、岩石などが高速で流れ出ることを指します。
その流れ出る速度は時に時速100kmを超えることがあり、温度も700℃を越えることが観測されています。
このような火砕流により、大規模な噴火が発生すると、数千平方キロメートルにおよぶ広大な範囲が瞬時に覆われてしまうことが示されています。
1991年に長崎県の雲仙普賢岳で発生した噴火では、この火砕流が地元の人やマスコミを飲み込み、多くの死者を出す惨事となりました。
このとてつもないスピードから、火砕流からの避難は非常に困難であるため、可能な限り事前に避難をしておく必要があります。
さらに、溶岩流とは、岩石がマグマとして地表に噴出し、そのまま高温状態で流れ出す現象のことです。
日本の火山では粘性が高い溶岩流がよく観測され、その速度は時速にして2~3km程度とされており、他の火山活動に比べると避難に十分な時間が確保しやすいです。
しかしながら、その温度は800℃から1,200℃の間という非常に高温であるため、火口付近にいると大変危険です。
火山の噴火が起きる前兆としては、地鳴りのような音がする、地面が隆起したり沈降したりする、河川で魚介類が死滅する、噴煙の量や色に変化が見られる、などの現象が挙げられます。
これらの兆候は、地下のマグマが岩盤を割って上昇する際に生じる地震発生が原因のことが多いです。
また、マグマ上昇による地割れや、河川の水位変化、生物の死滅などの影響も観測されることがあります。
これらの兆候を正しく理解し、適切なタイミングで避難を開始することが、火山災害における命を守るための重要な対策となります。
火山活動の早期発見と避難準備の重要性
火山が活発に活動を開始しようとするとき、いくつかの前兆が観測されることが知られています。
例えば、その兆候の1つに噴煙が増え始めることがあり、これに伴う色の変化も目立つようになるかもしれません。
これらの兆候を目の当たりにした際には、たとえその時点で火山が噴火していない状態であったとしても、待機せずに積極的に安全地帯へ避難することが最も賢明な判断であるとされています。
早めの避難策をとることで、命にかかわるような人的被害を防ぐことができるわけです。
関連する重要な情報として、気象庁によって公表されている「噴火警戒レベル」というものがあります。
これは火山活動の現況に応じて策定される安全行動のための基準で、全部で5つのレベルに区分され、各レベルに対する警戒の範囲も明示されています。
もし警戒レベル4が発表された際には、避難行動をただちに実行できる態勢をとっておく必要があるのです。
火山の噴火を見計らって準備を進める余裕はなく、「噴火したら準備しても間に合う」といった安易な考え方は非常に危険です。
さらに、火山の近くに住んでいる人々は、噴火の可能性がある場所では非常に危険にさらされているため、非常食や災害対策用品を常に準備しておくべきであると強く勧めます。
噴火に備えた予防策として、以下の3つのアクションプランを考慮することが推奨されます。
1. 災害対策グッズを整えておくこと。
2. 事前に避難経路について確認し、心に留めておくこと。
3. 定期的に火山の活動状況をチェックすること。
これらの準備を怠れば、いざ噴火の瞬間が訪れた際に、生き残ることができるかどうかの可能性が大きく左右される可能性があります。
早期に対策を講じ、適切なグッズを用意しておけば、避難が必要な時に迅速に行動することができます。
ゴーグル、ヘルメット、懐中電灯、タオル、マスク、長靴、手袋、そして雨具といったアイテムは避難の際に役立つ必需品です。
さらに、山岳地帯への入山者にとっては、スマートフォンやモバイルバッテリーなど、救助要請や状況を伝達するための通信手段もなくてはならないものです。
これらのアイテムは、火山灰から保護する目的で透明なビニール袋に入れておくと、持ち運びの際にも安全です。
火山災害に備えるための心得と非常食の備蓄について
自然災害は予測が難しく、火山の噴火も例外ではありません。
私たちにできることは、もしもの状況に備えて事前に準備を整えることで、予期せぬ災害時に慌てずに行動できるようにすることです。
火山の噴火に備えるには、まず「被害が及ぶ範囲」について、具体的に把握しておくことが必要です。
これに役立つのが防災研究の成果を活かした「火山ハザードマップデータベース」です。
このデータベースには、火山の種類ごとに異なるハザードマップが収集されており、これらの情報を参照することで、地元の特性に合わせた避難行動計画を策定することが可能になります。
火山の近隣に住んでいる方や登山を計画している方は、お出かけ前に必ず気象庁が提供する「火山活動の状況」をチェックしましょう。
噴火の危険性が指摘されている場合には、危険を避けるために計画を見送ることが賢明です。
決して自身で直接確認を試みることはせず、公的な情報に基づく行動を心がけましょう。
また気象庁からの噴火予報を常に意識することで、万が一の際に落ち着いて行動することができるようになります。