【この記事について】
前編では、新潟県の海水浴場で起きたフロートの水難事故と、離岸流など海の危険についてまとめました。
ですが警察庁の統計では、水難事故による死者・行方不明者は、実は海と川でほぼ同数です。この後編では、川とプールに潜む危険、そして海・川・プールに共通して今日からできる備えを紹介します。
川の水難事故も、実は海と同じくらい多い
警察庁「令和7年夏期における水難の概況」によれば、2025年7〜8月の死者・行方不明者241人のうち、海が114人、河川が94人と、その差はわずかです。中学生以下の死者・行方不明者15人でみても、河川は5人(33.3%)を占めています。
川は流れが速く水温が低いこと、深さが場所によって急に変わることなど、海とは違った危険があります。特に注意したいのが「中州」です。その場では晴れていても、上流で雨が降っていると水位が急上昇し、気づいたときには中州が水に囲まれて、岸のどちらにも渡れなくなってしまうことがあります。
国土交通省は「河川水難事故防止ポータルサイト」で、天候や上流の雨量を事前に確認すること、川の水が急に濁る・落ち葉や流木が流れてくるといった増水の兆候を感じたらすぐに水辺から離れることを呼びかけています。
参考: 国土交通省「河川水難事故防止ポータルサイト」
警察庁生活安全局「令和7年夏期における水難の概況」(令和7年9月16日発表)
プールでも、静かに事故は起きる
「監視員がいるプールなら安心」と思いがちですが、消費者庁は、子どもは溺れるとき、大人が想像するようにバシャバシャ音を立てたり助けを呼んだりせず、静かに沈んでいくことが多いと注意を呼びかけています。声を出せないまま短時間で溺れてしまうため、「音がしなかったから大丈夫」とは限らないのです。
家庭用の小さなビニールプールであっても、目を離したわずかな時間に事故が起きるケースが繰り返し報告されています。学校・公共プールでは過去に排水口への吸い込み事故も発生しており、排水口の蓋や柵の異常に気づいたときはすぐに監視員へ知らせることも大切です。
参考: 消費者庁「子どもの水の事故を防ごう!―7月25日は『世界溺水防止デー』」

今日からできる5つの備え
海・川・プールに共通して、家族で確認しておきたいポイントを5つにまとめました。
- ライフジャケットを着用する―東京消防庁のデータでは、ライフジャケット着用により遊泳中の事故が約21%、磯遊び中の事故が約32%減少しており、着用時の生存率は非着用時のおよそ4倍という報告もあります。大人も子どもも「泳げるから」を理由に省略しないことが大切です
- 子どもから目を離さない・手を離さない―水遊び中は、スマートフォンを見る、荷物の整理をするなど「ながら見守り」を避け、大人が水際に近い位置で見守ります
- 遊泳区域・監視員の有無を確認する―海水浴場として開設されていない場所は監視員がおらず、安全が確保されていません。標識で区切られた遊泳区域の外では絶対に泳がないようにします
- 天候・海況・河川の水位を事前に確認する―風向き、波の高さ、上流の降雨状況などを確認し、少しでも不安を感じたら中止する判断をします
- 一人で助けに行かない―誰かが流されているのを見つけたら、自分も水に入るのではなく、まず大声で周囲に助けを求め、浮き輪やペットボトルなど浮くものを投げ入れることを優先します。助けようとした人まで巻き込まれる二次被害が非常に多く報告されています
紘一のひとこと:
「水難事故=海」というイメージを持たれる方も多いと思いますが、統計を調べてみると、川での事故も驚くほど多いことが分かりました。
私自身、被災経験を通じて、危険は「特別な行為」よりも「いつも通りの油断」から生まれることを学びました。ライフジャケットの準備、出かける前の一言の声かけ。どれも小さなことですが、それが命を守る一番の備えだと思います。
ご家族・お仲間との夏のお出かけ前に、ぜひこのエントリーと前編をあわせて見返していただければと思います。
前編:「フロートで沖に流され姉弟死亡」新潟の事故から考える、海の水難事故と離岸流の危険
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